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zoom RSS 『The Caiman/Il caimano/カイマーノ』 ナンニ・モレッティ監督 その1

<<   作成日時 : 2010/02/04 00:41   >>

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ナンニ・モレッティつながりで、『息子の部屋』に続く監督作を紹介。標的はベルルスコーニだ!(・∀・ その1は紹介・感想など。

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『The Caiman』(2006)
原題『Il caimano』/映画祭上映タイトル『カイマーノ』

監督/脚本 ナンニ・モレッティ

出演 シルヴィオ・オルランド・・・Bruno Bonomo
    マルゲリータ・ブイ・・・Paola Bonomo / Aidra
    ジャスミン・トリンカ・・・Teresa

制作 伊・仏
受賞歴 2006年カンヌ映画祭コンペディション部門出品
      2006年ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞 作品・主演・監督賞ほか受賞

◎ひとこと解説
 『息子の部屋』以来のとなる、ナンニ・モレッティの監督作。監督自身が参加していたイタリアの政治運動を背景に、ベルルスコーニを取り上げた映画。イタリアのアカデミー賞であるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞では14部門にノミネート、上記をはじめ6冠に輝いた。

◎あらすじ
 B級映画ばかりを手がけるプロデューサーのブルーノ。彼はもう10年も映画を製作しておらず、プライベートでも妻から離婚を切り出され、現在崖っぷちに追い込まれている。そこに、新人監督のテレサが脚本を売り込みにやってくる。彼はその脚本を、いつも通りのB級アクション作品の脚本と信じ込み、制作することにする。しかしプロジェクトを立ち上げた直後に、その映画がイタリアの首相ベルルスコーニを批判する内容のものだったことに気づく。

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◎感想
 そのセンセーショナルな発言で日本でもたびたび取り上げられてきたベルルスコーニ首相。先日はオバマ米大統領を「彼はハンサムで、日焼けしている」とかなんとか言って、話題になりました。彼がこのような差別に近い発言をしても許されるのはメディアを牛耳っているからなんですが、その他にもいろいろと黒い噂もあるようで、イタリアでは問題となっています。ただイタリア国民の意識は様々で、彼を問題視する人もいれば、その発言のユニークさ(ということにしておきますが)を買って彼を支持する人もいるようです。

 管理人は詳しくないのでこの辺にしておきますが、ナンニ・モレッティ監督はベルルスコーニのやりたい放題の政治にきっぱりと反対の姿勢を表明する一人。自分は知らなかったのですが、監督が先頭にたち、イタリアでは政治的市民運動をしていたそうです(この辺は次回のインタビューをどうぞ)。
 このような事態を背景にした映画が本作『カイマーノ』です。ベルルスコーニが、どのようにして政治家、首相にまでのし上がったのかを映画内映画、あるいは主人公ブルーノの想像上の映像で描いていきます。

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 さて、前置きはこのくらいにして感想を。ここまでの紹介からすると、「なんか政治的な映画でつまらなそう」と思えますが、モレッティがそんな映画にする訳がありません!映画制作を舞台にして、ベルルスコーニの叩き上げ人生を、テレサが制作する映画にしてしまったのが上手いところ。お陰で物語はあくまでも、映画の制作を実現させるために奔走しながら、家庭を取り戻そうとするブルーノに中心が据えられることになります。そのため、確かに映画内映画や想像のシーンではベルルスコーニを批判的に風刺していますが、映画自体を観ても政治的な映画だという風には感じませんでした。後半は妻と息子たちとのヒューマン・ドラマの部分もあり、またブルーノが制作したB級映画などはコメディの雰囲気をただよわせています。

 その一方で、ちょっといろいろと盛り込みすぎちゃったかなという印象も残ってしまいました。B級映画は前半だけなのですが、確かベルルスコーニ役に俳優が3人使われていたり(ベルルスコーニ本人もニュース映像の中で登場)、映画内映画、ブルーノの想像など、一回目に観たときは、いま何が起きているのか考えながら観る必要がありました。とくにイタリアの政治状況に詳しくない管理人のような方には、気楽に観れるとはちょっと言えないかもしれません。そのような方は、本作をベルルスコーニ批判云々よりも、ブルーノの物語という視点から鑑賞する方が楽しめると思います。実際管理人はそのような視点から鑑賞して、楽しむことができました。

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 おそらくイタリアで大変な支持を受けたのは、真正面からベルルスコーニを扱った映画というのが本作が初めて(とどこかで目にしました)だからというのもあるかもしれませんが、その上で一つの映画作品としても家族や、映画制作の困難さを描くことに成功しているからだと思います。日本人にとってはベルルスコーニの問題をはじめ、あまり馴染みのない話もありますが、モレッティ監督の野心作はやはり見逃すことのできない作品に仕上がっています。

・・・ちなみに管理人の持っているDVDはドイツ版なんですが、ドイツ語題はなんと『Der Italiener(=イタリア人)』。原題は「ワニ」という意味(ベルルスコーニを揶揄している)なので、思い切った題名つけたなぁと感心?してしまいました(・∀・;笑

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本作の監督インタビューを和訳した「その2」はこちら!
http://planeta-cinema.at.webry.info/201002/article_2.html

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