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zoom RSS 『Fish Tank/フィッシュタンク』 アンドレア・アーノルド監督 その1

<<   作成日時 : 2010/04/26 22:55   >>

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前回紹介したアンドレア・アーノルド監督の新作『Fish Tank』(『フィッシュタンク〜ミア、15歳の物語』)を今回は取り上げます(´ー`* 昨年のカンヌ映画祭で、二作連続となる審査員賞を受賞した、力強い傑作!

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『Fish Tank』(2009)
※シネフィル・イマジカ放映タイトル『フィッシュタンク〜ミア、15歳の物語』

監督/脚本 アンドレア・アーノルド

出演 ケイティ・ジャーヴィス・・・ミア
    キルストン・ウェアリング・・・ジョアンヌ
    ミヒャエル・ファスベンダー・・・コナー

製作 イギリス
受賞歴 2009年カンヌ映画祭 審査員賞
    2010年BAFTA Awards イギリス映画作品賞

◎あらすじ
 母子家庭という環境のもとエセックスで暮らす15歳のミアは、その激しい性格が災いして、周囲から孤立している。目的もなく日々を過ごす彼女にとって、唯一の楽しみはダンスをすることだった。しかし、母親が連れてきた、ハンサムで落ち着いた新たな恋人との予期せぬ出会いが、ミアの日常に変化をもたらすことになる。

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◎感想
前回紹介した『Red Road』もなかなかの作品でしたが、本作は前作を超える非常に素晴らしい作品でした(゜ー゜*) 2009年のカンヌは『白いリボン』『アンプロフェット』という強敵がいましたが、普通の年なら審査員グランプリあるいはパルムドールを獲っていた作品でしょう(実際、いくつかのパルムドールよりよっぽどいい作品・・・笑)。

さて、舞台となるのはイギリスのエセックス州。イギリスの豊かではない人々の暮らしを扱った作品というと、まず思い浮かぶのがケン・ローチ作品でしょう。実際このようなテーマの映画の中には、ローチの亜流といった程度の映画もありますが、この作品からはアーノルド監督の個性が強く感じられました。ただローチの『この素晴らしき世界で』に主演していたキルストン・ウェアリングが出ていたりはします(笑)

 本作は、ミアの姿をひたすら追っていきます。それはあたかも、ミアの人生の一部分をビデオカメラで切り取ったかのようです。実はこの作品、最近の映画では珍しく4:3の画面比で撮影されてるのですが、もしかしたら、こういう意図で4:3にしたんじゃないかなと管理人は感じました(・∀・ ビデオカメラは本作でも重要な小道具になっているので。

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 とにかく、基本的にカメラはミアを追っているので、ミアをどれだけ魅力的に描けるかどうかに本作はかかっていると言えます。そして、監督とミアを演じたケイティ・ジャーヴィスは見事に管理人を引きつけてくれました。いや〜、ケイティ・ジャーヴィスは良かったですな!(´∀` とても、駅のホームで監督にスカウトされたばかりの素人とは思えなかったです。お世辞にも素行が良いとは言えない、ミアを自然に演じています。しかめっ面をする表情と、たまに見せる笑顔のギャップもよし!(笑)

 とはいえ、ミアに管理人が引きつけられたのは、監督によるミアの造形の上手さが原因でしょう。遊び人のようらしい母のもと、裕福とは言えない母子家庭に育って、周囲とうまく協調することができないミアの気性の荒さ。冒頭で、気の合わない女の子集団にヘッドバットしたところで一気に引き込まれました(笑)。その一方で、好きなダンスには打ち込んでいるものの、学校から放り出され、特別学校へ入学できるかを待つ、将来の不確かさを漠然と感じているミアの不安定さ。罵声を吐くミアの姿に、どうしても素直になれない15歳の少女の脆さを感じずには入られませんでした。

 そんなミアの退屈な日常に、母の新恋人コナーが出現します。このコナーも、絶妙な役割を与えられています。でもネタバレは嫌なので、そうとだけ言っておきます(笑)。

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 本作のとくに良い点は、ミアの人生の一部分を切り取った作品だと前述しましたが、その切り取っている箇所がちょうどいいということです。どういうことかと言えば、本作は確かに微妙な状況にいる思春期の少女の成長を描いています。しかし当然ながら、簡単に明るい将来が開けてしまうとか、ミアの周りのもやが一気に晴れてしまうことはなく、また過度に感動させようとストーリーを描き過ぎないところが良かった(・∀・
映画のラストまでいっても、ミアの人生には、外見上は何らの変化も見えないかもしれません。しかし、何かが少し変わって、成長への一歩を踏み出せるようになったんじゃないかと小さな希望を与えてくれます。この抑え方が素晴らしい(´∀`*

 結構ベタホメな感じですが、本作を評価しているのは何も管理人だけではありません。というより、世界での評価に自分が乗っただけに見えると思いますが(笑)、評価されているから素晴らしい、のではなく、素晴らしいから評価されている、というタイプの映画であることは観れば容易に分かると思います。アンドレア・アーノルド監督の現在までの長編2作品は、映画祭などでの特集は組まれそうですが、ぜひ一般公開されるべきでしょう。とくに『Fish Tank』は素晴らしいの一言に尽きます。

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本作の監督インタビューを和訳した「その2」はこちら!
http://planeta-cinema.at.webry.info/201004/article_10.html

※2010.8.9追記
シネフィル・イマジカで9月に『フィッシュタンク〜ミア、15歳の物語』のタイトルで本作が放送されるようです。
正直聞き取れなかった部分があるので、日本語字幕で放送は嬉しいですね(´∀`*
これほどの作品は劇場で公開されるべきだという気持は残りますが…。

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Fish Tank <2009/英> ★★★★
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★Movies that make me...
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