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zoom RSS 『リーニャ・ヂ・パッシ』 ウォルター・サレス監督 その1

<<   作成日時 : 2010/08/25 13:42   >>

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『セントラル・ステーション』のウォルター・サレス監督のいまのところ最新作『Linha de Passe』を紹介。ずっと観たいとは思っていたのですが、値段の安いuk版DVDがいつも売り切れていてやっと手に入りました(・∀・

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『Linha de Passe』(2008)
東京フィルメックス上映タイトル『リーニャ・ヂ・パッシ』

監督/脚本 ウォルター・サレス&ダニエラ・トマス

出演 サンドラ・コルベローニ・・・クレウザ
   ヴィニシウス・デ・オリヴェイラ・・・ダリオ

製作 ブラジル
受賞歴 2008年カンヌ国際映画祭最優秀女優賞:サンドラ・コルベローニ

◎あらすじ
 それぞれに父親が異なる4人の兄弟とその母親の物語。サッカー選手を目指しトライアウトに参加し続けるダリオ。バイク便の仕事をしてはいるが、別居中の妻と子にお金を渡す余裕もないデニス。ガソリンスタンドで働きながら、篤い信仰心から教会の仕事を手伝っているディンホ。まだ幼く、バスの運転手であった父親を探そうとしているレギナルド。そして、母親であるクレウザは、5人目の子供を妊娠している。

◎感想
 カンヌでは、演技初挑戦にして母クレウザを演じたサンドラ・コルベローニが最優秀女優賞を受賞して話題になった作品です。そういう訳で、彼女を中心としてキャストの演技に期待して本作を鑑賞したのですが、どちらかといえば演技よりも全体のストーリー、脚本のバランスが良いなと感じさせられた一本でした(・∀・ よくよく考えてみれば、実力のあるウォルター・サレス監督の作品ですから当然かもしれませんが。

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 さて、この映画は全部で5人の人間を描いていきます。そのため、管理人が期待したようにサンドラ・コルベローニの圧倒的な演技が続くということはなく、4兄弟も含めて一人一人の人生がバランスよく描写されています。5人も登場人物がいて、誰かに偏ることがないというのは意外と珍しいのではないでしょうか。このことは、脚本がよく出来ていると思わせられる一つの要因だと思います。その上で、それぞれの物語をどれだけ深められるかが勝負なのですが…。

 兄弟たちがどんな生活を送っているのかということは、あらすじに書きました。4人に共通する背景として、父親がいないということ、そして金銭的に豊かではないということが挙げられるでしょう。このことが、彼らが家に帰ってきたときの、お世辞にも明るいとは言えない家の雰囲気の原因になっていると感じました。

 とはいえ、この作品はなにも彼らを特別に不幸な人間として、特別に貧しい人間として描こうとしているわけでもないと思います。確かに、ダリオはトライアウトになかなか合格できない。デニスは金銭的に余裕がない。ディンホも自らの信仰・生活に疑問を持ちますし、レギナルドだって父親に会えない。しかし、こうした悩みや挫折は特別なものではなく、人間であれば誰しもが経験するものです。この点で本作は、現代ブラジルの普通の暮らしや、少し貧しい青年たちの青春と葛藤をリアルに写し取った作品であると言えるでしょう。ちなみにダリオ役を演じるのは、『セントラル・ステーション』で少年ジョズエを演じたヴィニシウス・デ・オリヴェイラだったりします、面影が…ない?(笑

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 一方で、兄弟に比べるとまた少し違う面を持つのが母クレウザです。彼女も5人目の子供を妊娠していたり、妊娠中で仕事ができなくなってしまったり、四兄弟がムズカシイ年頃であることに悩みを持っています。しかし、その一方で肝っ玉お母さんとでも言いたくなるような、力強い側面も見せてくれます。たとえば、贔屓のサッカーチームの応援にかける熱の入れようはすごい(・∀・;(笑) ここに、貧しい暮らしがブラジルの普通の人々の現実であるとしても、それを克服してしまう力強さを見た気がしました。

 とはいったものの、この映画の中ではまだキャラクターたちに希望の光は見えてこないんですよね。むしろ、彼らには依然厳しい現実が待っていることを示唆しています。しかし、それもまたブラジルの現実を描いているということになるのかもしれません。
 この映画のラストは、個人的には好きなのですが、かなり観る側の想像に任せる部分があります。ここで好みは分かれる気がしますが、5人の物語を一つの映画としてまとめるには上手くできていたんじゃないかなと思います。なかなか印象的なラストについては、これ以上書きません。管理人と同様、フィルメックスで見逃した方はどうぞチェックしてみて下さい(´∀`*

 ちなみにウォルター・サレス監督は『トワイライト』のクリステン・スチュワート主演で、ジャック・ケルアックの『路上 / On the Road』を撮影するみたいですね。

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本作の監督インタビューを和訳した「その2」はこちら!
http://planeta-cinema.at.webry.info/201008/article_5.html

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