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zoom RSS 『Three Monkeys/スリー・モンキーズ』 ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督 その1

<<   作成日時 : 2010/11/14 19:55   >>

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いくつか取り上げたい作品がたまっているのですが、考えてみればまだヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督の作品を一つも記事にしてませんでした(・∀・; とくにカンヌで高く評価されている監督ですが、今回は2008年のカンヌで監督賞を受賞した近作、『スリー・モンキーズ』を紹介!

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『Three Monkeys』(2008)
原題『Üç maymun』/映画祭上映タイトル『スリー・モンキーズ』

監督/脚本 ヌリ・ビルゲ・ジェイラン

出演 ヤヴズ・ビンギョル…エユップ
   ハティジェ・アスラン…ハジェル

製作 トルコ・フランス・イタリア
受賞歴 2008年カンヌ国際映画祭 監督賞

◎あらすじ
 政治家セルヴェットのもとで働くエユップは、金銭を見返りに、セルヴェットの起こしたひき逃げ事件の罪をかぶって刑務所に入ることになった。父がいない間、息子イスマイルは車を欲しがり、母ハジェルにセルヴェットと交渉するよう求める…母親がセルヴェットと親密な関係になってしまうとは夢にも思わずに。

◎感想
 というわけで、「作品が日本では一般公開されていない監督」の中でも有名人中の有名人、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督の近作を今回は紹介。作品のほとんどがシネフィル・イマジカで放映されたそうなのですが、いまとなっては放送される機会も少ないようなので、これから数本とりあげてみようかなと思っています(・∀・

 他作品でも同じ印象を持っていますが、ジェイラン監督の作品は、あまりドラマチックであったり派手であったりする展開はなく、静かにストーリーが進んでいく印象があります。『スリー・モンキーズ』も基本的にはそのようなタイプの作品です。
 このような言い方はちょっと申し訳ないですが、脚本はあらすじからも分かる通り、よくある話といえばよくある話です(笑)。また、ここからものすごい仕方で話が展開するというわけでもありません。

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 とはいえ、ひき逃げ事件の身代わりを発端として、家族の中に起こる不和であったり、自分に都合のいいように行動する人々を描くことによって、この作品は人間の弱さ・愚かさを時間をかけてじっくり丁寧に洞察しようとしています。派手さはなく、この作品のタイトル『スリー・モンキーズ』、いわゆる三猿のように、「見ざる、聞かざる、言わざる」(これはもともとは、プラスの意味だったようですが、ここでは悪い意味で使われているように思います)だった家族の関係におこる変化などは、監督が切り取る曇り空よろしく、心をどんよりとさせてきます。こうしたタイプの映画が好きな人には、何か心に残るものがあるかもしれません。

 ただし、一般的な感動を求めるようなタイプの作品ではないと思います。少なくとも、一度崩壊しかけた家庭が困難を乗り越えて再生していくとか、そういった話ではありません。
 個人的にはジェイラン監督の作品のような、静かだけれどもあっさりしているわけでもない映画は好きなのですが、やはり先ほど書いたような人間の自分勝手さであったり、弱い部分を描くなら、なにかもう少し欲しいと感じてしまいました。インタビューを聞く限り、かなり脚本を練ったようですが、やはりどこかで見たレベルでの人間描写にとどまっていて、心にズシンとくるものがなかったように感じます。

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 そういうわけで、この作品の1番の見どころは(少なくとも自分にとっては)脚本ではありませんでした。ではなんだったかといえば、監督の作り出す映像です。少し暗めで、コントラストの効いた映像。天気はくもりがち。そして、ときどき訪れるものすごく美しい瞬間――一つ一つのシーンを見のがたしたくない気持ちで、作品に釘づけになってしまいました。とくに後半がよかったですね(´∀`
 ところどころ、本当に実写なのだろうかと思う箇所もありましたが…もしかしたら実写じゃないかもしれません(笑)まったく加工のない映像だったら、本当にすごいと思います。ストーリー自体はあまり複雑ではないのですが、登場人物それぞれの複雑かつ重い心情が見事に映像に表現されていると思いました。

 カンヌ映画祭では監督賞を受賞した本作『スリー・モンキーズ』。受賞も納得できるほどに、監督の力量がうかがわれる作品です(逆に監督賞以外の受賞がないのも納得といえば納得…)。各国でDVDが発売されているので、海外のamazonなどからぜひ購入して鑑賞してみて下さい(・∀・
 しかし、カンヌでグランプリ・監督賞を受賞して、いまやコンペの常連となった監督の作品がいまだに一般公開されないというのもなぁ…。

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本作の監督インタビューを和訳した「その2」はこちら!
http://planeta-cinema.at.webry.info/201011/article_4.html

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