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zoom RSS 『クリムゾン・ゴールド』 ジャファル・パナヒ監督 その1

<<   作成日時 : 2011/01/09 17:01   >>

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新年明けましておめでとうございますm(_ _ )m 今年もマイペースに作品を紹介していきたいと思いますが、2011年最初の作品はジャファル・パナヒ監督の『クリムゾン・ゴールド』を取り上げさせてもらいます。短い作品ですが、胸に突き刺さる素晴らしい作品でした。

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『Crimson Gold』(2003)
原題『Talaye sorkh』/シネフィル・イマジカ放映タイトル『クリムゾン・ゴールド』

監督 ジャファル・パナヒ
脚本 アッバス・キアロスタミ

出演 フセイン・エマデディン…フセイン
製作 イラン
受賞歴 2003年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞

◎あらすじ
 ある強盗が、宝石店を襲った。しかし、店主に警報ブザーを鳴らされ犯行は失敗し、彼は店主を撃ったあと、拳銃で自殺する。
 その強盗、フセインはピザ屋の配達員だった。温厚な性格で、友人の妹と婚約さえしていた彼が、なぜ強盗に及んだのか。カメラは犯行の数日前に戻り、フセインを追っていく。

◎感想
 というわけで、今回はジャファル・パナヒ監督の『クリムゾン・ゴールド』を紹介します。パナヒ監督に未公開作品があるとは知らず、まったくノーチェックだったのですが、昨年のシネフィル・イマジカで観て非常に強い感銘を受けた作品です(・∀・ ちなみに、昨年のシネフィル・オリジナルで特にいいなーと思った作品は本作と『グッバイ ソロ』。

 それでは話を戻していきましょう。この作品は、すでに結末を冒頭で提示するというスタイルを取っています。オープニングは、主人公フセインが強盗に入って失敗し、自殺するシーンで始まると。ですから、フセインがどうして強盗に至ってしまうのか、あるいは彼が死んでしまうんだということをつねに意識して観客は鑑賞することになります。

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 ストーリーの流れとしては、そのフセインが強盗に至った理由が明らかになるように、数日前からの彼の日常が描かれます。バイクでピザを配達したり、友人とお茶をしたり、その妹である婚約者と会ったり。 しかし、その日常の中に、フセインが犯行に至ったきっかけやイランの問題が描かれていきます。

 たとえば、フセインがピザを配達しようとマンションに出かけると、軍隊(警察?)に止められるエピソードがあります。そこでの彼らの振る舞いを見て、イランの政治には何も問題がないと思うことはできないでしょう。比較的短い映画なので、エピソードを紹介しすぎるのはやめますが、パナヒ監督はイランに対する問題提起となるような描写を、このエピソードを含め作品中でいくつかしています。興味深いのは、各エピソードに出てくるイランの人々の描写でしょうか。貧富の差が人々の中にはっきりと現れていて、考え方も違えば、フセインに対する態度も違う。もちろん、これは日本だってそうかもしれないですが…(・∀・;

 そうしてバイクでピザを届けた先で、またいろいろとあるのですが、そこから先は鑑賞していただくことにして、最後に全体的な感想を。

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 この作品の最も重要かつウマい点は、さきほど述べた、フセインが結局死ぬということを観客にまず知らせてしまったことだと思います。それによって、作品の中でフセインの不器用なところや、優しいところを少しずつ見せられ、彼のことを知っていけば知っていくほど、つまり終盤になればなるほど、作品を観ているのがツライというか、胸が締め付けらるような気持ちにさせられました。それはまた、彼が強盗に至った心情やイランという国の現状の難しさとあいまって、やるせないほどです。

 もちろん、なにがあっても強盗なんかしちゃいけないと言えばそれまでなのですが、フセインが経験したことを見てからまた、彼が強盗したという結末を思うと、考えさせられるものがあります。強盗しちゃいけないのはフセインだって分かっているはず。まして、温厚なフセインのこと、日本に生まれていたら絶対に犯罪に走ることはなかったでしょう。そういう人間が強盗に至る過程を描いたことで、パナヒ監督(と脚本のキアロスタミ監督)はイランの現状が抱える政治的な問題点を指摘するとともに、そのような政治的状況に生きる人々がどうなっていくのかという問題を提起していると思います。

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 監督がインタビューで答えている通り、『クリムゾン・ゴールド』は実際の事件にインスパイアされて作られた映画です。短く、単純とも言えそうな映画ですが、それだけに余計な飾りがなく、ストレートに訴えかけてくるものがあります(・ω・´
 シネフィル・イマジカでは再放送が1月16・31日にあり、DVDも各国(uk・US版)で発売されています。ぜひお見逃しなく!

本作の監督インタビューを和訳した「その2」はこちら!
http://planeta-cinema.at.webry.info/201101/article_2.html

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