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zoom RSS 『マチューの受難』 グザヴィエ・ボーヴォワ監督

<<   作成日時 : 2011/03/18 22:30   >>

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3月5日から、カンヌでグランプリを獲得したグザヴィエ・ボーヴォワ監督『神々と男たち』が公開されています。今回はそれにあわせて、というより便乗して、同監督の未公開作品『マチューの受難』を紹介!流石に『神々と男たち』ほどの傑作とはいきませんが、なかなかイイ作品です。

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『Selon Matthieu』(2000)
映画祭上映タイトル『マチューの受難』

監督 グザヴィエ・ボーヴォワ
脚本 グザヴィエ・ボーヴォワ/セドリック・アンジェ/カトリーヌ・ブレイヤ
出演 ブノワ・マジメル…マチュー
   ナタリー・バイ…クレア
製作 フランス
受賞歴 2000年ヴェネチア国際映画祭コンペディション部門出品

◎あらすじ
 マチューは兄とともに、父親も働いている工場で仕事をしていた。しかし、些細なことで父親が解雇されてしまう。経営者に激しく抗議するマチューだったが、それも空しく、父親は自殺する。マチューは経営者の妻クレアと関係を持つことによって、彼に復讐をしようと企てるが……。

◎感想
 管理人はこの作品を東京フィルムセンターのフランス映画特集でつい最近鑑賞したのですが、特集の中でもとくにいいなと思ったのが本作。『神々と男たち』の監督だと思って見たので、ちょっとひいきが入っているかもしれませんが…(笑)

 さて、この作品でまず引きつけられたのはオープニングの空撮。この空撮で、「あ、やっぱり『神々と男たち』の監督の作品だ」と感じました。うまく言えないのですが、監督の色が出ているショットで、これはいい作品だろうと期待させてくれました。

 そして、その期待通りにストーリーが怒涛の展開を見せる……ことはなく(笑)、本作は非常にゆっくりとしたペースで物語が展開していきます。あらすじに書いた部分まで到達するのに、全体の半分以上の時間をかけていたと思います。あらすじをチラシで確認していたので、ストーリーについてはほとんど予定通り、予想通りだなぁと思いながら鑑賞していました(・∀・; そういうわけで、何か意外なできごとや、どんでん返し、あるいは上手い脚本を期待して見るような作品ではないかもしれません。

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 もちろん、マチューが復讐のためにクレアに近づいたあとどうなるのか気になるところところだとは思いますが、その後の展開はラストまで比較的あっけない感じも受けます。実をいうと、この作品のテーマは一体なんだったのか、管理人は自信を持てるほど分かっていません。『マチューの受難』というタイトルから宗教的な印象を受けるかもしれませんが、自分が観たかぎり(宗教音楽は使われているにしても)宗教的要素はほとんどないように感じます。その一方で、復讐物語として見るほど、そこにウェイトが置かれている気もしないので、ここは実際に鑑賞していただくのが早いと思います(´∀`;

 では何が良かったのか。管理人にとってこの作品の魅力は次の三点になると思います。

(1)人間描写
 主人公マチューをはじめ、彼を取り巻く人々――兄や父、経営者やクレアなど――の描き方はとても良かったです。ひとりも「いい人」がいないこの作品ですが(笑)、すこし突き放したようなまなざしで彼らを捉え、人間の冷たい部分をよく描写していると感じました。人間のいいところや悪いところは映画ではしばしば過剰な形で映し出されますが、本作はそこを抑制して現実的なレベルで人間の汚いところを見せてくれます。管理にとっては、こういう作品はとてもいい作品です。さきほどストーリーの進行が遅いと書きましたが、その分じっくりと人物を描写してくれているということでしょうか……ちょっと雰囲気は暗いですが。
 また、この作品のテーマ自体には確信が持てないのですが、このように人間の脆い部分を描きながら、マチューの人生の一部分を切り取って見せるということが、この作品のかなり本質的な要素になっているとは思います。

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(2)ブノワ・マジメル
 ハネケの『ピアニスト』を観たときには、なぜ彼がカンヌの主演男優賞を取ったのか分からなかったのですが(・∀・;、この『マチューの受難』でのブノワ・マジメルはものすごくいいです(笑)。主人公マチューはなかなかの激情家で、ときどきキレることがあるのですが、そういったシーンでの熱い演技と、復讐を画策している冷酷な部分の演技の両方を、自然に一人の人間が持つものとして演じきっています。言ってしまえばこの作品は、タイトルからも分かるように、マチューの物語なので、ブノワ・マジメルがマチューをどれだけ説得力のある人間として演じられるかに作品の出来がかかっていたと思いますが、見事に主演として作品を素晴らしいものにしています。

(3)グザヴィエ・ボーヴォワ
 『神々と男たち』は映像面でもとても好きなスタイルで撮られていたのですが、『マチューの受難』も同様で、グザヴィエ・ボーヴォワ監督の映像はとても良かったです。ややドキュメンタリータッチのフランス映画という感じですが、少し重たいくらいの映画が好きな人にはたまらないのではないでしょうか。印象に残っているのは、やはりオープニングの空撮と、ラストシーン。

ということで、ストーリー云々よりも、「作品として」かなりいい線まできている映画だと思います。『神々と男たち』が気に入った方、グザヴィエ・ボーヴォワ監督に興味を持たれた方はぜひチェックしてみて下さい。本作のDVDはフランス版が、ボーヴォワ監督の『Le Petit Lieutenant』とセットで発売されているようです。管理人はフランス語ができないので買っていないのですが、購入された方は英語字幕が付いていたか情報を提供していただけると嬉しいです(・∀・

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本作に関連するインタビューが見つからなかったので、「その2」はありませんm(_ _ )m

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