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zoom RSS 『ツリー・オブ・ライフ』 解説。

<<   作成日時 : 2011/08/14 17:44   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 91 / トラックバック 2 / コメント 16

昨日『ツリー・オブ・ライフ』を見てきました。管理人は本物の傑作だと感じたのですが、友人からは「意味不明」とのメールが…(・∀・;劇場の反応も芳しくないようだったので、未公開作ではないですが、「ぷらねた」的に本作について徹底的に解説してみたいと思います。


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※今回は普段と違ってネタバレがあります。鑑賞前で本作のテーマ等について知りたい方は、注意してください。また(5)のクライマックス以降は読まないことをお勧めします。

目次:興味のあるところだけでもどうぞ。
(1)本作のテーマ
(2)ストーリーの流れ
(3)冒頭の引用と宇宙創造の意味
(4)オブライエン一家について
(5)クライマックスについて
 (a)何が起きたのか?
 (b)問いへの答え
 (c)天国の意味
(6)エンディング
(7)タイトル
(8)追記

 さて、この映画は日本のCMなどで宣伝されているようなホームドラマではありません(笑)。カンヌでの評判を見聞きした人には分っていたことですが、CMを見て「カンヌで評価されたブラピの出ている感動ドラマ」だと思って映画館を訪れた方が面くらうのは間違いありません…とくに日本人の場合には。
 この「日本人の場合には」というのはどういうことかと言えば、映画のはじめに引用される『旧約聖書』の「ヨブ記」に馴染みがある方が多くはないだろうということです。実はこの映画のテーマは、冒頭で「ヨブ記が引用されていること」によって観客に明確に示されます。しかし、「ヨブ記」がどういう物語かを知らないと、冒頭の引用が単なるお飾りに思われてしまい、この映画のテーマが見えにくくなってしまうと思います。ですから、まずは「ヨブ記」という『聖書』中の物語について少しだけ(かたくならない程度に)確認しておきましょう。

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(1)本作のテーマ
 「ヨブ記」というのは『聖書』中でもその内容ゆえにとても有名な一篇。ストーリーはこんな感じ。

 信仰に篤いヨブという「正しい人」がいた。しかし、彼を突然多くの不幸が襲う――家畜を略奪され、家族はみな死に、あげくにヨブ自身は重い皮膚病にかかってしまったのだ。苦しむヨブのもとに友人たちがきて慰めようとするが、彼らは次第に「正しい人」ヨブが何か悪事をなしたからその罰を受けたのだと言うようになる。
 友人に侮辱されたと感じたヨブは彼らを非難するとともに、ついに自らが信じている神に対しても疑問を唱えるようになる。すなわち、自分は神を信じているにもかかわらず、「神よ、わたしはあなたに向かって叫んでいるのに、あなたはお答えにならない(30:20)」、「全能者よ、答えてください(31:35)」と。


 このあと神が出てくるのですが、ひとまずここまでのストーリーを確認すれば、『ツリー・オブ・ライフ』を観た方はピンとくるのではないでしょうか。そう、若きジャックやオブライエン夫人(以下、「母」)も神に対してヨブのように疑問をつぶやきます。とくに、次男が死んでしまったことについて、なぜ彼を奪ったのかと。
 このような「神を信じる人が不幸になるのはなぜか」「神がいるのに不幸が起きるのはなぜか」「神はなぜ答えてくれないのか」などの神に対する「なぜ?」という問いは、宗教につきまとう大きな問題で、歴史的にもいろんな人が答えようとしたものです。東日本大震災でも、少女がローマ法王に「どうして子供たちがこんなに悲しまなければいけないの?」と質問して「私も自問しています」と法王が答えたという出来事がありました。ですから「ヨブ記」といえばこの問題、というくらいに有名なんですね。それで最初の話に戻ると、キリスト教圏の方であれば間違いなく、冒頭の引用(とそのあとのいくつかのセリフ)でこのテーマが頭をよぎるはずです。そして、事実この映画はマリック版「ヨブ記」であり、「ヨブ記」が提示する「神の沈黙」という問いへのマリック監督なりの解答だというのが管理人の基本的な解釈になります。
 余談ですが、このテーマについては映画でいえばベルイマンが「沈黙三部作」を作っていますし、小説で言えば遠藤周作のタイトルそのまんま『沈黙』がありますね。

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(2)ストーリーの流れ
 この映画は時系列を少しバラバラにしていますし、何より宇宙創造が挟み込まれるので、基本的な流れも確認しておきましょう。

・冒頭−1960年代?オブライエン夫妻が次男(このとき19歳)の死亡通知を受け取る。
・大人になったジャックがいる現代。父親と電話している。時間が一気に始原へ。
・宇宙創造―地球ができて―火山もできて―恐竜がでてきて―海にもクラゲがいて―時は経って、
・1950年代?のオブライエン一家へ。冒頭のオブライエン一家よりも、次男の年から考えて10年ほど昔の話です。ここからは普通に話が進み、
・大人ジャックのいる現代へ。ジャックがドアをくぐる⇒へヴン状態(笑)。
・現代のジャック、現実に戻る。歩き去っていって
・おわり

 ここからは、この物語の流れに沿って解説していきます。

(3)冒頭の引用と宇宙創造の意味
 冒頭の「ヨブ記」の引用をここで確認しましょう。

 わたしが大地を据えたとき、お前はどこにいたのか、そのとき、夜明けの星はこぞって喜び歌い、神の子らは皆、喜びの声をあげた。(38:4,7)

 この部分はさきほどの「ヨブ記」の中で神に問いかけるヨブに対して、神が現れてヨブに答えた言葉の一部です。一般にこの神の答えはあんまり答えになってないんじゃないかという話も聞きますが、やはり気になるのは「大地を据えたとき」という部分。『旧約聖書』のはじまりは「創世記」という篇で、神が天地を据えるところから始まります。このとき当然、人間はいないわけです。ですから人間、あるいはオブライエン一家のような一つの家族が存在するためにも、神による創造がなくてはならなかった。ジャックは「あなたはどこにいるのですか」と問いますが、ジャックが存在するために必要な全宇宙をつくった神からすれば、「あのときお前はどこにいたんだい」と聞き返したくもなるわけです。
 つまり、あの長い宇宙の創造シーンは、創造という神の手による長い線の上に人間が存在するということを示そうとしていたのだと思います。だからこのシーンは長ければ長いほど、人間が、ジャックたちが存在するためにどれだけのことが必要だったのかを思い知らされるので、ある意味いいのですが…(観客何人か出ていっちゃったしなぁ(・∀・;)この点は最後の「神の沈黙」への解答にも関わってきます。あと、恐竜のCGはどうなんでしょうか(笑)。
 それから冒頭の次男の死について、その意味は上述のテーマから考えてもう明らかでしょう。

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(4)オブライエン一家について
 日本ではまだ専門家による評論は(ネット上には)あがっていないようですが、英語圏では話題作だけあって多くの専門家による批評がネット上にでています。その中でもほぼ一致していて、自分もそうだろうと思ったのは、オブライエン夫妻の表しているものです。
 映画の開始直後に母の「生き方には二つある、世俗に生きるか、神に委ねるか」というセリフがあります。原文は「the way of nature and the way of grace」で、世俗の道と恩寵の道という感じです。そして、オブライエン父が世俗(自然)を表し、母が恩寵(神への道)を表しているというのが大勢の解釈。こう考えると、ジャックが母に対して「父さんに見下されているくせに」と言ったりするのも興味深いですね。父は「成功するためには善人になりすぎるな」と言いますが、確かに現代になればなるほど、世俗が力を持ち、恩寵の道を選ぶ人は減り、また世俗的な成功を望む人は恩寵の道に生きる人を見下しているとさえ思えます。そして子供時代のジャックも、父のいぬ間に世俗の方向に突き進んでいくように見えますし、大人ジャックはどう見ても世俗で成功してしまっています。
 ただし、少年ジャックの場合は父を軽蔑し、母を慕います。父に対して「お母さんが好きなのは僕だけだ」とも言っていましたね。はじめは分りやすいエディプスコンプレックスだなと思ったのですが、神への道を表わす慈愛に満ちた母を慕うということは、ジャックの胸の中に世俗の道への欲求がありながらも、恩寵の道への可能性が存在していることを示しているのかもしれないと思うようになりました。何より単なるエディプスコンプレックスとして、父と子のよくあるホームドラマとして見ると、後半の展開がまったく理解できなくなります。
 ところでジャックの反抗期ですが、隣家に侵入してネグリジェを取ってしまうのはなぜでしょう?流石に母親の下着は取れないから、他の女性のものでということなのでしょうか。そう考えると、やっぱりただのエディプスコンプレックスなのかなぁ。でもそれを川に流してしまうあたりは、すごく詩的でした。

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(5)クライマックスについて
 本作のもっとも素晴らしい部分はやはりクライマックスでしょう。ここについてはもはや解釈なんて言えないくらい、観た人によって違う感じ方があると思います。とはいえ、管理人の解釈を。

(a)何が起きたのか?
 まず大人ジャックは会社にいたのに、いきなり岩地にいるわけですから、あの岩地からはすべてジャックの心の中での物語だと思っています(心象風景とか回想とか妄想とか、いろいろ名付けられると思いますが)。そして、岩地で少年時代の自分に導かれていく。現代のジャックは社会的に成功しているようですが、その分完全に世俗の道を生きています。一方で少年時代のジャックはさきほど書いたように、母への思慕=神に委ねる生き方への可能性を持っている存在なので、大人ジャックは少年ジャックに導かれることによって、恩寵の道へと進んでいくことができます。あるいは、大人ジャックの中に世俗に生きる以外の生き方が思い浮かんだことで、少年ジャックが現れたのかもしれません。
 こうして岩地にあるドアへたどり着いたジャック。その先には女性がいますが、彼女は天使というところでしょう。このドアが恩寵の道へのドアであることは間違いなく、それをくぐった途端に――ジャックは少年時代のままの父母や兄弟のいる浜辺にいます。
 まず、ここはどこかということですが、これは天国としか言えないと思います。たとえジャックの妄想と言おうが、あのように家族が、死んだ人間が、昔のままの姿で現れるのは天国としか形容できないでしょう。さきほど岩地からはすべてジャックの心の中だと書きましたが、天国というのは一般に思われているような別の世界というわけではなく、心の状態だという考え方がある…と昔なにかの授業で習いました(笑)。そう考えると、恩寵の道へのドアをくぐったジャックの心の状態は、神に委ねたものが到達するような心の状態=天国に彼はいると言えると思います。ということは、あのドアをまたぐということは、大人ジャックの父と神に対する心の変化を表現する行動であったと言えるでしょう。(この心の変化の原因は、大人ジャックが父と電話していることから考えると、母の死なのでしょうか?母が死んだとすれば、ジャックを大きく恩寵の道へとうながすきっかけになるとは思いますが、これは本当に推測です。ただ、少年ジャックによる母が透明の棺に入っているイメージが示唆的だなぁ。→(8)の追記も参照して下さい)

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(b)問いへの答え
 では、どのような神に対する心の変化があったのか。これはマリック監督による「神の沈黙」あるいは「神に問うこと」に対する答えでもありますが、天国のシーンにおける母の独白から考えることができます。天使と思われる女性に付き添われ、母は空に向かって手を仰ぎます。それはもちろん神に祈っているように見えますが、彼女は最終的に「息子を委ねます」と言います。そして自分の記憶は不確かなのですが、ジャックももはや神に問いかけはしません。たとえ家族を失うような不幸があっても、信じている神がずっと沈黙しているとしても、神に疑いを持って問いかけるのではなくて、「神に委ねる」というのが最終的なジャックと母の態度になります。これが監督のテーマに対する答えです。しかし、どうしてマリック監督はこのように答えるのでしょうか。
 推測ですが、(3)で書いたように、天地そして人間を創造した神に問いかけるということは、冒頭の「ヨブ記」引用のように「あのときお前はどこにいたんだい」と神ならば返したくなるような問いなのでしょう。あれだけ長い宇宙創造のシークエンスを見れば、人間がいることや、人間に降りかかる事件はすべて、神による創造という長い線上における一つの出来事にすぎないと思い知らされます。言い換えれば人間の生というのは、創造という一連の出来事の一部であり、さらにいえばこの映画のオブライエン一家の物語も、その前にあった宇宙創造のシーンからつながっていると言えます。自分がそのような創造という流れの一部だということを知らされたとき、それに異を唱えるのではなく、その流れに身を委ねる=神に委ねるという解答に監督は行き着いたのではないでしょうか。そもそも自分が創造の流れの一部だとしたら、その中に参加してしまっている以上、それに異を唱えても変更はききません。こう考えると、あの長い宇宙創造シーンの意義がまた理解できると思います。余談ですが、神に向かって息子を委ねると言う母は、聖母マリアと重ねられているのでしょう。

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(c)天国の意味
 さらにもう一点、クライマックスには意味があります。それは、ジャックにとっての天国が、昔のままの家族と出会う場所である理由です。ところで、冒頭で引用された「ヨブ記」の結末をご存じでしょうか。神に問いかけたヨブは、神からの答えを受け、悔い改めます。そのヨブを、神は最後に救済します。

 主はヨブを元の境遇に戻し、更に財産を二倍にされた。兄弟姉妹、かつての知人たちがこぞって彼のもとを訪れ……。(42:10-11)

 下線を引いたところに注目していただければ、もう言いたいことは分かると思います。ジャックの天国は、ヨブに与えられた救済と同じです。ですから、最初に本作はマリック版「ヨブ記」だと書きましたが、ジャックはヨブであると考えられます。むしろジャックがヨブであるからこそ、最後には以前の境遇にもどり、当時のままの家族たちと出会うという天国がなくてはならなかった。思い返せば、反抗期を迎えた少年ジャックは、母との関係もギスギスしてきて、「どうしたら昔に戻れるんだろう」というようなことを言っていました。それが、神に身を委ねることによって叶えられたわけです。「ヨブ記」の結末、少年ジャックの願いという理由から、ジャックの天国があのような場所となるのは明らかでしょう。ラストでジャックがビルをあとにするときの表情の意味が理解できると思います。

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(6)エンディング
 正確に言うとオープニングとエンディングですが、エンディングの印象的な光は何を意味しているのでしょうか。管理人もまだ考え中なのですが、なんとなく炎のように見えたことから、命の灯火なのかなと思いました(劇中でも小さなキャンドルが印象的に使われていました)。ちなみに意味は分からないにしても、あの映像の正体は明らかになっていて(笑)、トーマス・ウィルフレッド(Thomas Wilfred)の「Opus 161」という作品らしいです。

 意味など気にせずにその美しさを感じればいいんだと、そう言いたくなるような綺麗な映像ですよね(意味が分からないから、負け惜しみかも)。

(7)タイトル
 最後になって、タイトルについての話。「tree of life」といえば、『旧約聖書』に出てくるその実を食べると永遠の命が得られる「命の木」。ただ自分は、タイトルを一つの意味に限定できませんでした。宇宙創造からのすべての生命の流れを「命の木」と表現していて、人間もまた永遠の命の一部=「命の木」の一部であるということなのか。逆に人間は「命の木」の実を食べられず、死んでしまう生き物のままだというところから、神に命を委ねる存在だという本作の人間観を示しているのか…やはり前者でしょうか。
 あとタイトルについて面白いなと思ったのが、とある批評家の感想。彼いわく「この映画を観終えた夜、寝ようとしたときにふと60年代に流行った曲を思い出した。その曲には、この映画のタイトルを含む一節があった。「Out of the tree of life I just picked me a plum(命の木から僕はプラムだけを摘み取った)」…タイトルは「The Best Is Yet To Come(よいことは、まだこれから=未来はよくなっていく)」という曲だったが、マリックの映画はまさにこのタイトル通りの希望を与えてくれた」とのこと(トニー・ベネットの曲のようです)。意外とタイトルはこんなところに由来していたりして(´∀`

(8)追記(8.18)
・(5)の(a)で書いた大人ジャックの心の変化の理由ですが、そういえば大人ジャックは携帯で「この○○年間、あのこと(次男の死のこと)をいつも考えていた」というような(かなり失念しています)ことを言っていました。キリのいい年数だったと思うのですが、そこから、あの日は次男の何十年目かの命日なのかなと思うようになり…「"tree of life" anniversary movie review」でググってみました。すると、大人ジャックの出てくる日が次男の命日だと明記しているレビューが出るわ出るわ(・∀・; たとえば、これこれこれ(笑)。映画の中で明言されていたかは覚えていないのですが、最後に挙げたレビューでは「30年か40年目の命日と推測できる日」という言い方をしています。というわけで、次男の命日から過去を回想し、心の変化に至ったと考えるのが妥当かもしれません。ただし管理人としては、「それではなぜそれ以前の命日には心の変化に至っていないのか?」という疑問から、やはり母の死が一つの契機として裏側にあるような気がします、うん。

・これは映画の中で描かれていることではないので、それに基づいて本作を観るべきではないと思われる情報ですが、マリック監督の兄弟がこの映画の次男と同じ19才で自殺しているそうです(ソースはここここ)。後者のレビューではこの事実から、作中で明らかにされない次男の死因について、おそらく自殺だろうと示唆しています。
 非常に下世話な話だとは思いますが、このことを知ると、ジャック(ヨブであり、マリック監督自身とさえ言いたくなります)が至った天国、本作で監督が提示している問いへの答えにとても重みを感じます。舞台がマリック監督の生まれ育った土地・時代だというのは知っていましたが、このような内容が反映されていることは知りませんでした。このことから本作をマリック監督の自伝として捉える方もいるかもしれません。管理人は「映画は映画中に示されたものだけで解釈すべき」という姿勢なので、本作の捉え方はまったく変わりませんが。

 …と、かなり長くなってしまいましたし、作品が作品なので少し『聖書』の話やら頭が痛くなるような記事になってしまいました。もちろん管理人の解釈は、一観客の解釈にすぎず、観た人の分だけ解釈があるでしょう。が、「意味不明」と思ってこの作品を切り捨てるのはもったいない気がします。少し解釈し直してみてから「やっぱり嫌いだ」と思っても遅くないと思います(映画の好き嫌いは人によって違うと思うので、誰もが本作を好きになるべきだとは思っていません)。この記事が、少しでも本作を鑑賞する方・した方の理解に役立てばいいなと思います。

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○オマケの私的感想
 映像も綺麗だし、テーマとその監督なりの解答も面白いし、最後の天国のシークエンスは鳥肌が立ったけれど、一番よかったのは俳優陣でした(・∀・ その中でも少年期ジャックを演じたハンター・マクラケン。彼はすごい。それから、母親役のジェシカ・チャステイン。ネームバリューからすれば、ブラッド・ピット、ショーン・ペンのうしろに来てしまいますが、優しく慈愛を感じさせる演技で二人以上の魅力を放っていました。外見が柔らかい人だからかなぁ。それから、天国の部分ですが、やはりブラッド・ピットとショーン・ペンが並んでスクリーンに映し出されるとすごく贅沢な気がしました。
 映像についてはどれも綺麗だけれども、CGがある点については管理人はまだ肯定できません。マリック監督にはCGを使わずに自然の美しいものを撮って欲しかったです。世界が神によって創造されたと信じているなら、神によって創造された自然の美をこそカメラに収めるべきでしょう、とくに本作の場合には。でも恐竜は仕方ないか(・∀・;
 それにしても大人ジャックがドアをくぐってからの展開はすごい。映画が終わって欲しくないと久しぶりに思うほど胸が高鳴りました。管理人の理解は「ヨブ記」からのものですが、神への問い、生命についての問いなど普遍性のあるテーマを真正面から扱った映画であり、特定の信仰を持っていなくとも、考えさせられるものがあると思います。結局のところこの作品が観客に突き付けるのは、「いかに生きるか」という問いです。そして、「生き方には二つある」のでした(「神に委ねる」というと宗教色が濃くなりますが、ジャックの母のように優しく愛に満ちて生きると考えれば、少しは受け入れやすくなるでしょうか)。いまのところ当然のように今年最高の作品。

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映画「ツリー・オブ・ライフ」善き人であろうと、もがきながら生きている
「ツリー・オブ・ライフ」★★★★ ブラッド・ピット、ショーン・ペン、 ジェシカ・チャスティン出演 ...続きを見る
soramove
2011/08/18 21:24
『ツリー・オブ・ライフ』 信仰があれば幸せなのか?
 エデンの園の中央には、二本の木が生えているという。  一つが知恵の樹、もう一つが生命の樹(Tree of Life)である。  『旧約聖書』の『創世記』に登場する生命の樹は、孫悟空が食べた蟠桃(ばんとう)のご... ...続きを見る
映画のブログ
2011/08/30 07:56

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コメント(16件)

内 容 ニックネーム/日時
映画を観て単に面食らってしまったのですが、とても理解できました。
あんどう
2011/08/15 00:20
コメントありがとうございますm(_ _ )m
自分が映画館で観ていたときも、面をくらったのか小声で話し合っている人がいました;
少しでもこの記事がお役にたてば良かったです。
ina
2011/08/15 01:00
今年最高の作品と思ってる方を見つけられて嬉しいです。正直半信半疑で行ったけれど、ほんと映画館で見てよかった。二日たってもまだ頭からいくつかのシーンが離れません。。。。
Daimonphrastus
2011/08/15 04:51
『世紀の光』の方とあわせて、コメントありがとうございますm(_ _ )m
あの映像は本当に映画館で見てこそ、ですよね。
自分もいくつものシーンが頭に焼き付いています。
ina
2011/08/15 10:58
観賞後わからなくてモヤモヤしていたのですが、とてもわかりやすい解説ありがとうございます。
恐竜の件は同感です。笑
ぶぶぶ
2011/08/17 01:15
見終わった後悶々として、ヨブ記をWikiで調べた後に(笑)ここに辿り着きました。うまく整理されていて、映画館でイビキをかいていた観客に読ませてやりたいです!
恐竜のCGは異質な感がありますが重要だったように思います。恐竜が弱っている相手を襲わなかったことで、人が生まれる前から無償の愛・信仰が存在していた―神の営みを分かりやすく表現していたと感じます。
u_fuyu
2011/08/17 02:29
近頃精神論的な(?)作品にめぐり逢わなかったんで懐かしく観させて頂きました。
英語もままならないのですが、「死亡通知」は三男だったのでは?水死したのが次男?そしてひとり残ったジャックと父親と軋轢が、携帯での言葉で改めて死を見つめる・・・と受け取ったのですが・・・
ま、1回視聴では分かりませんよね・・・
rurou
2011/08/17 12:39
>ぶぶぶさま
同感とのこと、ありがとうございます(笑)管理人としては、CGを用いずにあのシーンが意図していたものを表現するという離れ業をして欲しかったところです。

>u_fuyuさま
なるほど、その見方は説得力がありますね。強い方の恐竜が一度は足で踏みつけつつも去って行ったことから、生物の中には世俗(自然・暴力)的な面と慈愛の面の二面性があることを示しているという英文の批評もありました。いずれにせよ、人間以外の生命にも創造されたものであるがために愛が存在するという点ではu_fuyuさんのおっしゃる通りだと思います。

>rurouさま
「死亡通知」はR.L.ですから次男だと思います。また水死したのはジャックの兄弟ではない男の子だったかと…。あの携帯での会話がなぜきっかけになるのか、気になる記事があったので追記するかもしれません。

みなさまコメントありがとうございましたm(_ _ )m
ina
2011/08/17 13:31
とても読みやすく、分かりやすい解説を
していただきありがとうございます。
ジャックとほぼ同じ世代ですので、
ヨブ記のことを無知でも結構感動しました。
そして教えていただいたので、
一層理解が深まり、
もう一度見たくなりました。
アンディーのママ
2011/08/20 20:16
コメントありがとうございます。
つたない文章ですが、少しでも参考になったのであれば嬉しいです。
自分ももう一度見たいと思っているのですが、
Blue-rayが出るまで待とうかなと思っています(・∀・;
ina
2011/08/21 00:26
詳しいご解説ありがとうございます!

私はキリスト教についての素養はほとんど無いので、ヨブ記の下りが良く分かりました。

扉をくぐって幼い頃の自分と会う辺りの場面までは分かり易かったですが、ラストのシーンが分かりづらかったので、何故、主人公の意識の中の天国らしき場所で家族が集合しているのか、等についての必然性が少しは理解出来ました!

キリスト教というフィルターを通してはいますが、エッセンスは誰しも通じる普遍的なものが描かれている(描こうとしている)のだろうと思います!

2011/08/21 00:41
コメントありがとうございます(・∀・
ご理解のお役に立てたようでよかったです。もちろん、この解説も管理人の見方に過ぎないのですが。

最後の点について、自分も同感です。この映画は単なる「キリスト教映画」に尽きる作品ではないと思います。
ina
2011/08/21 20:15
とても解りやすい解説ありがとうございます。
質問何ですがジャックが弟に対する劣等感をいだいていたように思ったのですが、弟の死について複雑な心境なのかと思ったのですが、これも旧約聖書やヨブ記で説明されてるのでしょうか?


qg
2011/08/27 23:23
コメントありがとうございますm(_ _ )m
ご質問の内容ですぐに思い浮かんだのは、旧約聖書の創世記に出てくるカインとアベルの話でした。アダムとイヴの息子である兄弟なのですが、兄のカインが嫉妬から弟のアベルを殺してしまうという話です。こちらの場合は兄が直接弟を手にかけるわけなので、あまり類比的にはならないかもしれませんが…。
弟への劣等感については、自分と違って音楽ができ、父親にその点で認められているということかなと自分は単純に考えていました(・∀・;
ina
2011/08/28 00:44
レンタルで今ごろ見たのですが、当時のTVCMの印象から、あまりにも予想と違う話で「難解過ぎて意味不明!」と感じました!
私はクリスチャンであるにも関わらず、です笑(勉強不足です。)

漠然と、タイトルの意味(私も前者だと思いました。)くらいしか解釈できずに切り捨てかけていましたが、解説してる方を検索して良かったです。

兄弟の自殺に限らず、自分の身に起きた不幸と思えること、心の深い傷となった出来事などの全てに通じることですよね。自分のことに置き換えて見ることができる映画でした。
私は神に委ねていこうと思います…。

解説ありがとうございました。
camro
2012/09/12 04:19
コメントありがとうございますm(_ _ )m

自分は西洋哲学を研究している関係でキリスト教を「勉強」したり聖書を読んだりはするのですが、クリスチャンではないので、クリスチャンの方からコメントをいただけると恐縮、かつ嬉しいです。

おっしゃる通り本作は、つらい経験をしうる人、つまりあらゆる人間に無縁ではないテーマを扱っていると思います。自分のような人間には、なかなかその後での態度決定が難しいのですが……(・∀・;
ina
2012/09/12 15:42

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