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zoom RSS 『I Killed My Mother/マイ・マザー、青春の傷口』 グザヴィエ・ドラン監督 その1

<<   作成日時 : 2011/09/17 02:41   >>

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若干20歳にしてカンヌを沸かせたグザヴィエ・ドラン監督の自伝的作品『I Killed My Mother』。先日シネフィル・イマジカが、『マイ・マザー/青春の傷口』というタイトルで放映してくれました(・∀・ 若さを感じさせない落ち着きすらある、素晴らしい作品です。

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『I Killed My Mother』(2009)
原題『J'ai tué ma mère』
シネフィル・イマジカ放映タイトル『マイ・マザー/青春の傷口』

監督/脚本 グザヴィエ・ドラン
出演 グザヴィエ・ドラン…ユベール
製作 カナダ
受賞歴 2009年カンヌ国際映画祭監督週間3部門受賞

◎あらすじ
 離婚した母と二人で暮らしているユベール。母を愛していながらも、彼女に苛立ちケンカをしてしまうような愛憎関係に悩んでいる。一方の母シャンタルも、息子と安定した関係を築くことができない。そんなある日、彼女はユベールが同性愛者であることを知る…。監督の自伝的作品。

◎感想
 今回は、先日シネフィル・イマジカで放送された『マイ・マザー/青春の傷口』を紹介したいと思います。様々な映画祭でも話題になった作品で、『I Killed My Mother』というセンセーショナルなタイトルも手伝って気になっていたのですが、なかなかの作品でした(・∀・

 この作品でまず話題になるのが、脚本と主演も務めたグザヴィエ・ドラン監督でしょう。1989年生まれですから、映画が発表されたときで20歳。製作中はおそらくまだ十代だったという若さ…作品の出来を考えるとこれはすごい。本作は監督の自伝的作品なのですが、そのあたりについては「その2」のインタビューを見てください。

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 それでは内容に入っていきましょう。主人公ユベールが同性愛者であるということから、その点が作品の核になりそうだと思われるかもしれませんが、そうではなくて、この作品は何よりもまず息子と母親の関係を描いた物語です。
 冒頭、ビデオカメラにむかって母親への思いを語るユベール。そして、そこからはユベールと母との普段の生活が映し出されるのですが…

 ユベールと母シャンタルはとにかく毎日言い争いまくり(・∀・;個人的にこの作品で一番良かった点が、この口ゲンカのリアルさです。こういう口ゲンカでは、母親の理屈がおかしくないといけないのですが(笑)、シャンタルの理屈がまさにそう。納得できない議論の末に、最後には親という立場と勢いでもって黙らせられる…ユベールのフラストレーションがたまるのも当然でしょう。自伝的作品ということで監督が母親とした口ゲンカなども元ネタになっているのかもしれませんが、このリアルさのおかげで管理人はとてもユベールに共感できました(笑)。

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 そんなユベールにとって心を許せる存在が、同性の恋人アントナン。彼は結構人間ができているように見えます。ユベールはよくアントナンの家に行くのですが、興味深いことに、アントナンの母親は二人が同性愛者カップルであることを普通のこととして捉えています。反対するのでもなければ、ことさらに同性愛であることに意味づけをすることもなく、ヘテロのカップルのように普通のこととして考える。個人的にはこのアントナン母の態度がもっとも正しいと思います(ちょっとテンションの高いお母さんですが:笑)。

 こうした環境の中で、やがてユベールは母親に自分が同性愛者であることを知られ、また関係はどんどん穏やかなものではなくなっていきます。が、毎度おなじみ、ここから先は鑑賞してのお楽しみに。

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 後半は物語の落としどころが難しかったのかなという印象も受けましたが、作品としてはしっかりまとまっていたと思います。息子と母の関係というのは――とくにこの作品の場合は父親がいない分、母が父もかねているのですが――青春期になって独特の困難を持ってきます。そのなんとも言えない気まずさ、難しさをリアルに、しかしときに詩的に描いていて非常に好感が持てました(´∀` 主題となる母子の関係において、息子が同性愛者かどうかということは本質的なことではないと思います。その点で、いわゆる青年期を過ごしたことがある人なら誰でも、本作に感情移入できる部分や、よみがえってくる思い出があるのではないでしょうか。
 それから、原題とその英訳である「I Killed My Mother」の意味。さすがに本当に母親を殺すわけではないですが、しかしユベールは母親を殺します。物語の中盤にさしかかる頃には意味が分かると思いますが、母親を殺さざるをえなかったユベールの心情を思うと、グッとくるものがあります。

 監督の演出については、芸術家としても活躍しているらしいだけあって、冒頭から引き込まれるものがあります。ただそれほどオリジナリティは感じられなかった気もしますが、これからに期待というところでしょうか。ラスト(8ミリになる前)のカットはとても良かったです。

 シネフィル・イマジカでも、さすがにまだ何回かは再放送されるでしょう。また、つい最近になってイギリス版のDVDが発売されたようです。気になった方はぜひチェックしてみてください(・∀・

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本作の監督インタビューを和訳した「その2」はこちら!
http://planeta-cinema.at.webry.info/201109/article_2.html

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