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zoom RSS 『ホーム 我が家』 ウルスラ・メイヤー監督 その1

<<   作成日時 : 2011/12/20 22:17   >>

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イザベル・ユペールとオリヴィエ・グルメが共演している(個人的には)夢のような作品、『ホーム 我が家』を紹介します。キャストも素晴らしいですが、これが長編デビュー作となるウルスラ・メイヤー監督の才能もあり、いい映画になっています。

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『Home』(2008)
映画祭上映タイトル『ホーム 我が家』
監督/脚本 ウルスラ・メイヤー
出演 イザベル・ユペール…マルテ
   オリヴィエ・グルメ…ミシェル
製作 スイス・フランス・ベルギー
受賞歴 2009年スイス映画賞 作品賞・脚本賞

◎あらすじ
 10年前に建設されたまま放置されていた高速道路。その脇に建っている家で、マルテとミシェル、一男二女の子供たちは楽しく暮らしている。家族の持ち物が広げられた高速道路は一家の庭のようだ。しかし、ある日突然、放置されていた高速道路がついに開通するというニュースが流れてきて…。

◎感想
 今回取り上げるのは『ホーム 我が家』という作品。カンヌにも出品され好評を博したそうですが、管理人は本作のポスターをネットで見てからずっと観てみたいと思っていました。というのも、好きな女優を聞かれたら「イザベル・ユペール」、好きな俳優を聞かれたら「オリヴィエ・グルメ」と答える人間なので、この二人が共演している作品ときたら見逃せない!というわけです(´∀` そして、期待に違わずいい映画でした。

 さて、そのイザベル・ユペール演じるマルテは、夫と子供たちに囲まれ幸せな生活を送っている女性。映画は冒頭から、仲良く楽しく暮らしている一家の姿を映し出します。両親と子供たちが一緒になって遊んだり、はしゃいだり、お風呂に入ったり……そこには理想的な家族の姿があります。

 そんな家族の幸せを支える舞台が、そう、家。建設されたものの開通せずに10年間も放置された高速道路の横に一家の家は建っていて、それぞれが好きなように道路を利用しています。洗濯物を干したり、ソファを置いたり、長女にいたってはいつも水着で日光浴をしていたり(・∀・; 家族にとっては高速道路が家の一部になっているんですね。

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 ところがある日突然、高速道路開通のニュースが流れてくる。驚いているうちに、気がつけば道路は開通され、この日から家族の生活は一変してしまいます。なんとか今まで通りの生活をしようと頑張ってみても、一日中聞こえてくる騒音で夜も眠れず、車から排出される二酸化炭素のことを考えればおちおち庭にも出れません(それでも長女は日光浴をしようとします:笑)。そして何よりも不便なのは、家から出かけるときに高速道路を横切らないといけないこと。車が通っているところを横切る必要があるのでとても危険。こうして次第に一家、とくに母マルテは精神的に参ってしまいます。

 それならばもうこの家を捨てて、「普通の」環境にある家を探すしかないのか?父ミシェルはそう考えますが、母マルテにはこの家を去ることがどうしてもできません。幸せだった家族が困難な状況に置かれ、一つに結ばれていた家族の絆が壊れそうになったとき、一家はどんな選択をするのでしょうか。

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 このあたりであらすじの説明はやめて感想を。まず期待していた主演の二人ですが、イザベル・ユペールは本作に求められるキャラクターを無難にこなしていたという感じでしょうか。どちらかといえば、3人の子役の方が上手に演じていて印象に残りました。それに対して、なかなかにはじけたキャラクターである父親役を楽しそうに演じていたオリヴィエ・グルメといったらもう。この人は本当にいい役者さんだなぁと思います。彼を観れただけでもこの作品を観た甲斐がありました。

 とはいえ、この映画でもっとも成功しているのは設定の面白さだと言ってもいいと思います。その点で脚本と監督を担当したウルスラ・メイヤー監督の力量は評価されてしかるべきでしょう。ただ終盤からラストにかけては、家族の再生を描こうとしているのは分かるのですが、もうちょっとという感じも否めない。フランス映画っぽい終わり方だなーなんて思いましたが、ここまでしっかりと描いてきたのだから最後もそうして欲しいと思ってしまいました。監督は次回作も決まっているようなので、期待したいですね(・∀・

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 そして最後になりますが、この作品で何よりも共感できたのは、家がこんな状況に陥っても一家(とくにマルテ)が「家を離れられない」ということでした。彼らは10年間という長い期間をこの家の中で過ごし、一言では言い表せない愛着を家に対して持っています。むしろ、一家とこの家は切り離すことがほとんどできないものになっていて、一家とこの家をあわせてはじめて彼らは「家族」なのだと言ってもいいくらいです。
 今年、マルテのように、ずっと暮らしてきた場所への親しみや愛着をあらためて感じた方は少なくないでしょう。管理人の住んでいる場所からそう遠くないところにホットスポットがあるそうですが、やはりそれを知っていても自分は地元や住みなれた家を去ろうという気にはなりませんし、なにより今も福島で生活している人たちがいるわけです。この映画を観ながらこうしたことを思い起こしてみると、私たちにとっての「ホーム」とは何かを考えずにはいられませんでした。

 というわけで、ユーモアの中にも「家族」とか「ホーム」について考えさせてくれる小品『ホーム 我が家』。イザベル・ユペール&オリヴィエ・グルメが好きな方はもちろん、誰にでもオススメできる作品です、ぜひご鑑賞を。DVDはアメリカ・イギリス・フランス版があり、イギリス版は安いものの画質がそれほどよくないです(´∀`;

 今年の更新はこれで最後になりそうです。それでは、よいお年を。

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本作の監督インタビューを和訳した「その2」はこちら!
http://planeta-cinema.at.webry.info/201112/article_4.html

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