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zoom RSS 【短編】『俺の王国』 カルロス・レイガダス監督

<<   作成日時 : 2012/06/10 23:59   >>

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勝手に展開してきた「ぷらねた的カルロス・レイガダス週間」ですが、ここで一区切り。今回は、オムニバス作品『レボリューション』に収められたレイガダス監督の短編『俺の王国』を紹介します。youtubeにあった映画本編、セリフの和訳、管理人の感想をどうぞ。監督作を未見の方は、どんな監督か分かるかも?

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『Este es mi reino』(2010)
英題『This Is My Kingdom』
映画祭上映タイトル『俺の王国』
監督 カルロス・レイガダス
製作 メキシコ

○本作について
 本作『俺の王国』は、2010年のラテンビート映画祭でも上映された『レボリューション』というオムニバス映画の中でレイガダス監督が担当した作品。『レボリューション』という作品自体は、メキシコ革命100周年を記念して、10人の監督がそれぞれの視点から「革命」について描く映画として製作されたそうです。どの短編も直接的に革命を描かずに、現代の視点から革命を捉えようとしています。

○あらすじ&本編
 田舎の村で祝宴が行われている。はじめはそれぞれに会話を楽しむ人々だったが、段々と熱狂的な騒ぎになっていく……。

……と書いてみましたが、観れば分かっていただけるように、本作はあらすじを書くのに困る作品です(・∀・; というわけで、youtubeにあった作品本編を『アコーディオン』のとき同様置いておきます(ちなみに管理人は『レボリューション』のDVDを買ったあとで、本編がyoutubeにあることを知りました。ショック)。英語字幕つきですが、セリフもちょっと訳してみました。そのあとの感想も読んでいただけたら嬉しいです。



○セリフ日本語訳
 ウィンドウを二つ表示するなどして、youtubeを見ながらうまく利用してください。参照した英語字幕は管理人所有のDVDのもので、↑のyoutubeにある本編に付いている英語字幕とは別のものです(内容も微妙に違っています)。

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「ここから見える山を、正確には同じ風景を、エルナン・コルテスもこの地方を征服したときに見ただろう」
「この景観に圧倒されたにちがいない」

「国の地図が入った額縁を持って、訪れた場所に画鋲を打つの」
「もういっぱいになっちゃて!」
「自分の子供が祖国を旅して周れることが嬉しいのね」
「アメリカやヨーロッパについては知らないんだけど…」
「当然よ、まずは自分の国について学び始めなきゃ!」

「全体の地図ではなかったよ」
「えーと、何て言ったかしら?」
「Eメール」
「そう、それを受け取ったの」
「僕のメールをオフィスで開いて、プリントしてくれたんだ」
「パスワードも教えたの?」
「そうだね」

「やぁヴィクトリーナ、調子はどう?」
「ゲラルド、こんにちは」

「今考えているのは、風力エネルギーを生み出すことだ」

「彼に聞いてくれ」
「いま来てる途中なのさ、ゆっくりね」
「ずっと待ってるんだが、彼らが来ないんだ」
「バンドはもうすぐ始めなきゃならないのに」
「すぐ来るわ」
「みんなやらなきゃいけないことがあるのよ」
「いま集団がいるな」
「おそらくそこから出てくるだろう」

(「石に気をつけて」
「ティツァーノは女の子みんなと寝たがってるし、彼女たちも彼を求めてるのよ、誰も彼にノーとは言えないし」
「どうして?」
「あいつブサイクじゃない」
「有名だからよ、分からないけど」
「ちょっと、あいつは有名じゃないわよ!」)

「昨日まで退屈な男だったのに、見てみろよ」

「はい、ここにいます。ボスと彼の奥さんが一緒です」
「奥さんはヨーロッパから帰ってきたばかりで」
「二人とも決勝戦を観てきたんです」

「アパートを探してるんだけど」
「本当?」

「何て名前?」
「フアニト」
「フアン」
「英語だとジョニーさ」

「いいスタッフがいるかな?」

「渇きと飢えを求めてるのよ」

「テキーラだけなら大丈夫」
「でもすぐにマリファナを吸うと、別人になれるわよ」

「あれがルイスだよ!」
「縞模様のシャツを着てる」

「こう返事をしてきたんだ。“お前はいつももっと残酷だった”って」

「私?OKよ」
「私はいつも幸せなの」

「いや、もしマリファナを合法化したら、他の犯罪も合法化しなければならないし、他の犯罪も合法化するか処罰の対象から外さないといけない」
「カオスだよ」

「僕たちラテンアメリカ人は、違うイデオロギーを持ってる」
「僕らはしたいことをするのさ」

(「彼の息子が彼と彼の妻を殺したってみんなが言ってた」)

「新聞社に伝えてくれ」
「わしはユニバーサル、グラフィコに……(※どちらもメキシコの新聞の名前)」
「神のご加護がありますように」

「カメラ4と5、“プルケ”(※メキシコのお酒)に感謝」
「仲良くなれるだろう、僕からキスを。ありがとう」

「ビールはどこ?」
「私を追いかけてるの?」

「この詩は、私たちの古き伝統に捧げられたものです」
「それからまた、新しきすべてのものに」
「すべてはそこに由来しています」
「あらゆるイメージ、知性、私たちの良心、ルーツがです」

「ここは危険だよ」
「警察はここに来ない」
「警察はここに絶対に来ないし、いたこともない」

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○感想
 というわけで、『俺の王国』でした。正直、この作品のどのあたりが「革命」と関わっているのか、というのが最初に出てきた感想です(苦笑)。一応、人々の会話の中に、少しだけメキシコの歴史を感じさせるようなセリフがあったりはしますが。
 短編ということで、他のレイガダス作品と同等かそれ以上に、説明が少なくつかみどころのない作品になっている印象もありますが、少しだけ感じたことを書いておきます。

 さて、はじめは村の人々の会話を、まるで実際のインタビューかのように映すシーンが続きます。どの会話も断片ばかりですが、ここではメキシコの田舎で暮らす人々の現実・日常を表そうとしているように感じられました。「僕からキスを」なんていう男性なんて、本当に村にいそうです。

 そのように人々を映しているうちに、気がつけばみんな飲めや騒げや、車を壊し始めたりします。このあたりになって、映画はリアルというよりも、何か人々の中にある本性的なエネルギーをさらけ出させるような方向性を帯びてきます。これは『ハポン』をはじめとして、レイガダス監督の作品に見られるイメージですね。

 全体的には、「革命」云々というよりも、メキシコに生きる人々を描こうとした作品だと思いました。やや粗い映像や、人々の会話、田舎の村が舞台ということで、個人的には『ハポン』に近い雰囲気の作品だなという印象。

 テーマについては様々な受け取り方ができる作品ですが、やはりレイガダス監督の映像には独特の魅力があります。あまり考え込まずに、この短い瞬間を楽しめばよいのかもしれません。とくに終盤の火を囲むあたりは短編とはいえ見過ごせないですね(・∀・

 最後に本作についてレイガダス監督がちょっとだけコメントしてる記事があったので(原文)、それを訳しておきます。

「私はたくさんの友達をバーベキューに誘って、そこで多数のカメラのスイッチを入れただけでした」。レイガダスは、『俺の王国』での(キャストの)オファーについてこう語ってくれた。この短編は、田舎の祝宴での、メキシコ人たちの浮かれた騒ぎを追っていく。それは最終的に暴力的なものとなる。
 「私は、あまりに教訓的であったり、イデオロギー的なものにはしたくなかったんです」。レイガダスは言う。「私がしたかったのは、田舎で暮らす人々をカメラに収めることだけでした」。


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セリフの誤訳などを発見されましたら、コメント欄・メールにてご指摘くださいm(_ _ )m

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