ぷらねた 〜未公開映画を観るブログ〜

アクセスカウンタ

zoom RSS 『ベオグラードの罠』 スルダン・ゴルボヴィッチ監督 その2

<<   作成日時 : 2012/09/02 20:48   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

それでは続いて、『ベオグラードの罠』に関するスルダン・ゴルボヴィッチ監督のインタビュー邦訳をどうぞ。短いインタビューでちょっと申し訳ないのですが、内容は興味深いものになっています(・∀・ シネフィル・オリジナルで本作を鑑賞された方はぜひご一読を。

画像


なお、本作の「その1(紹介・感想編)」はこちら、
http://planeta-cinema.at.webry.info/201209/article_1.html
インタビュー原文はこちらからどうぞ。
http://www.theepochtimes.com/news/7-9-15/59792.html

※余談ですが、監督の「誠実な人間は、罪を犯さなくては生きていけない」という言葉は胸に迫るものがありました。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

――この映画を製作したきっかけは?
 製作した理由は三つあります。一つ目は、セルビアでは、私たちに選択肢がまったくないということ。あるいは選択肢があったとしても、どちらの選択も誤りであるということ。私たちは二つの悪い選択肢の中から、ましなものを選んで生きているんです。このことは、私が気に入っている物語の一側面です。
 作品のきっかけとなったもう一つの側面として、これが救済についての物語であるという点が挙げられます。セルビアには救済が必要だと思います。というのも、戦争のあいだ、私たちはいくつもの悪事をなしてきたからです。私たちだけが悪いわけではありませんが、他の人々よりは罪深いのであり、いくつもの酷い出来事が起こりました。セルビアの社会、それから人々は、カタルシスを必要としています。それが得られないかぎり、私たちは前に進むことができないからです。これが、私が興味を抱いたもう一つの要素です。
 それから、私は善き人間についての物語を作りたいと思っていました。善き人間、勇敢で教養がある人間、普遍的な物語です。つまり、どこででも起こりうる、そして、どこででも理解される物語ですね。

――この映画には、きわめて挑戦的な問いが含まれています。もし監督が主人公の立場なら、どうしたでしょう。
 私は自分がどういう選択をするか分からなかったからこそ、この映画を作ったのです。これが答えですね。私の友人は、彼は自分の子供を守るために殺人を犯したのだと言います。しかし、私はその解答を信じません。私が思うのは、彼は殺すべき相手のいる家まで行って、三日間は泣いただろうということです。誰かを殺すというのはとても困難なことだと思います。私にとって、このような映画を作ることはとても大切なことでしたが、それはセルビアでは命の価値がいまなおそれほど高くないからです。あのようなことをしなければならない善人についての、そしてその後での救済についての映画を作りたかったんです。道徳的な価値を、社会を捨てることについての映画です。

――セルビアの厳しい現実が作品の力強い背景になっています。セルビアは、この作品の中でどのような役割を演じているのですか。
 この映画をセルビアに向けて作るということが、私には重要なことでした。というのも、戦後、セルビアの人々はドラマを見るのを嫌い、コメディを見るのを好んでいるからです。こうしたきわめて現実的な映画を作ることや、セルビアの教養ある人々が私たちの直面している現実について考えるきっかけとなるようなセリフを作品に与えることが大切でした。多くのセルビアの教養人は、私たちに起きたすべての出来事のあとで、目を閉じることを選びました。この作品はセルビアにとってとても現実的なものです。エンジニアと教師の夫婦は、自分たちの給料だけで生きていくことができないのです。そして、そのとき道徳的な価値は破壊されます。誠実な人間は、罪を犯さなくては生きていけないのです。実際、この映画において車が象徴として目立っています。なんらかの犯罪にたずさわっているような人間は、高価な車に乗っています。私はオペル・カデットに乗っていますが、通りにはジプシーがいます。私たちは同じ現実の、あらゆる層にいるのです。この映画が海外でもうまくいくだろうということも、私には分かっていました。

画像


――そうした憂鬱な感情は、冬という季節の設定によっても感じられますね。設定を冬にすることは重要だったのでしょうか。
 それは映画にとって一番大事なことの一つでした。というのも、冬のベオグラードはもっとも憂鬱で、しかしまた綺麗だからです。私はこの二つの要素の不調和が好きなんです。それから、陽が射すことなく、すべてが灰色になるようにしたかったというのもあります。

――現代のセルビアでの生活について話してもらえますか。依然として過去の影響があるのでしょうか。
 私たちはいまだ戦争の影のなかで暮らしています。1990年代には三つの戦争を経験しました。ベオグラードでは実際の戦闘はなかったのですが、三ヶ月間爆撃を受けました。サラエボやボスニアの戦争ほど酷いものではありませんでした。旧ユーゴスラビアでは、私たちの生活はうまくいっていましたが、私たちの歩みは止められてしまいました。いま私たちはスタートしたばかりで、セルビアの歩みはとても小さなものです。セルビアが発展していく姿を早く見たいと思っています。

――今年のトロント映画祭をどう思いますか。
 トロント映画祭に参加するのは二回目ですが、気に入っています。私にとってこの映画祭が重要なのは、北米の人々に作品を観てもらうことができるからです。私にとって、作品を売ることは最優先事項ではありませんが、これが世界中の人々に作品を観てもらえる唯一の方法なのです。そして、それこそが映画を作るということの核心です。私は観客のために映画を作っています。私は彼らのためのストーリー・テラーなのであり、私にとって最大の成功と言えるのは、これまでに受けてきた賞ではなくて、ヨーロッパの多くの映画館で作品が上映されたことです。そして、北米でもそのようになることを願っています。

画像


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

誤訳などを発見されましたら、コメント欄・メールにてご指摘くださいm(_ _ )m

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『ベオグラードの罠』 スルダン・ゴルボヴィッチ監督 その2 ぷらねた 〜未公開映画を観るブログ〜/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる