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zoom RSS 『Vincere/愛の勝利を』 マルコ・ベロッキオ監督 その1

<<   作成日時 : 2010/04/30 13:10   >>

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こんにちは、映画祭前はひたすら予定が入らないことを祈っている管理人です(・∀・;(笑)今回のイタリア映画祭で最も注目度が高いであろう『愛の勝利を』を、予定通り鑑賞してきました。かなり期待して観に行ったのですが、それを上回る素晴らしさでしたので紹介せずにはいられません(´∀`* 今年これよりいい映画出てくるだろうか。。

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『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』 (2009)
原題『Vincere』/映画祭題『勝利を』

監督/脚本 マルコ・ベロッキオ

出演 ジョヴァンナ・メッゾジョルノ・・・イーダ・ダルセル
    フィリッポ・ティーミ・・・ベニート・ムッソリーニ,ベニート・ダルセル

制作 イタリア・フランス
受賞歴 2009年カンヌ映画祭コンペディション部門出品

◎あらすじ
 独裁者ベニート・ムッソリーニの隠された愛人、イーダ・ダルセルの物語。若きムッソリーニと恋に落ちたイーダは、彼の理想を実現させるため、すべてを彼に捧げる。やがてイーダは彼の息子を産むが、ムッソリーニがすでに家庭を持っていたことを知る。自分が彼の妻であり、息子がムッソリーニの長男であることをイーダは認めさせようとするが、ムッソリーニは彼女を遠ざけていき・・・。

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◎感想
 基本的に当ブログは結構作品を褒めるタイプの感想が多いと思うのですが、この傾向だと『愛の勝利を』のような作品と出会ったとき困りますね。他の褒めている作品と差をつけようとしても、これ以上褒め言葉がない!(笑)とにもかくにも、物凄い作品でした。

 『愛の勝利を』は、あらすじにも書いたとおり、ムッソリーニの愛人であったイーダ・ダルセルの生涯を描いた作品。本作は大きく二つの部分に分けられるでしょう。前半は、若きムッソリーニと彼を支えるイーダの物語。後半が、独裁者へとのぼりつめたムッソリーニと彼に捨てられてからのイーダの物語ということになります。

 まず前半部分の感想から。前半でひときわ印象的なのは、ファシズムと深い関係にあった前衛芸術運動である「未来派」を意識した演出がなされていることでした。とくに、映像の中に文字を挿入するという、ポップな?演出を監督が試していたのは面白かったです。ベロッキオ監督はこういうこともやる人だったんですね(・∀・ これについては大急ぎで準備した「その2」の記事を見ていただけるとより分かりやすいかと思います。他にも、当時の映像を何度となく挿入することで、映画的な効果だけでなく、二人の置かれていた時代背景がつかみやすくなっていたと思います。
 ストーリー的にいえば、前半は二人の出会いから、イーダがどれだけ彼を愛し、支援したのか。あるいはムッソリーニが理想にどれだけ燃えていたのかを描いています。とくに、イーダがムッソリーニの長男を出産したあと、彼にはラケレという妻と娘がすでにいたことを知るところから物語が大きく動き始めます。当然のことながら、イーダは怒り心頭、彼の正妻になることを強く求めるようになるのですが・・・。

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 そうしてムッソリーニに拒まれたイーダへとさらに焦点が絞られ、物語は後半へと移っていきます。後半部分で作品は色を変えます。一つには未来派的演出がなりをひそめ、監督のいう「メロドラマ」としての色彩を強く帯びてくることが挙げられます。それから、それまでフィリッポ・ティーミによって演じられていたムッソリーニは、独裁者になり、当時の本物の映像によって表現されるようになります。かなりのイケメンであるフィリッポ・ティーミから、本物の映像へと変わると最初は確かに違和感がありますが、その風貌の変化は独裁者となったムッソリーニの変化を表しているといえなくもないかも(・∀・;

 前半部分もそうでしたが、後半からはいよいよ俳優さんたちの演技に熱が入ってきます。非常に困難な状況に立たされるイーダを演じたジョヴァンナ・メッゾジョルノですが、後半の演技は圧巻。正直、彼女の演技を見るためだけにもう一度この作品を観たいくらい。とくに、あるシーンで彼女を正面から撮り続ける箇所がありますが、あの場面は本当に良かった(´∀`*
 それからもう一人、忘れてはいけないのが、若きムッソリーニと、成長したイーダの息子(こちらの名前もベニート・A・ムッソリーニ)を演じたフィリッポ・ティーミ。前半での情熱的なムッソリーニも良かったですが、終盤の息子役としての演技に引きつけられました。おいしいところを持っていきましたね(笑)

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 ベッロキオ監督の手腕についてはもう何も言うことはないでしょう。本作はとくに、映像に対して非常に強いこだわりが感じられました。確かに、後半で鍵となる現実のムッソリーニを写したニュース映像をはじめ、資料映像の使い方も絶妙でした。しかし、やはりなんといっても撮影された映像の美しさが記憶に残っています。全体的に暗いトーンで撮影されていますが、その理由は推して図るべしというところでしょうか。作品と完璧にマッチした映像でした、つまりあの時代とイーダの人生とに、ですね。

 その上で監督は、『夜よ、こんにちは』もそうでしたが、イーダという実在した女性の歴史的な事実を描きながらも、本作を悲劇的なドラマとして完成させていると思います。彼女が受けたほどの仕打ち自体は、特定の時代による部分もあるかもしれません。しかし、いつの時代でも悲劇的な運命は存在するわけであり、それに対して戦い続けたイーダの生涯は、一つの人間ドラマとして普遍性を持ったものだと言えると思います。だからこそ、単なる客観的な歴史物の話に留まらず、エンドロールには深い衝撃と余韻を心に残す作品になったのでしょう。

 とにかく、ただただ素晴らしい作品でした。2009年作品では、1番じゃないかなと思います。まだ観てない作品たくさんありますけど(・∀・; カイエで2009年の2位になった作品ですが、1位のアラン・レネは純粋に作品だけの評価なのか怪しいので、カイエの方々も自分と同じ評価なんじゃないかと思っています(笑)

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本作の監督インタビューを和訳した「その2」はこちら!
http://planeta-cinema.at.webry.info/201004/article_8.html

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