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zoom RSS 『The Five Obstructions』 ラース・フォン・トリアー監督 その1

<<   作成日時 : 2010/08/09 23:08   >>

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映画を作るとはどういうことか――あのラース・フォン・トリアー監督にイジメられながら、デンマークの巨匠が自作をリメイクする姿を捉えたドキュメンタリーを紹介。最近のインタビューでは丸くなった感があるトリアー監督の、容赦ないサドっぷりも見どころ?(´∀`;

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『The Five Obstructions』 (2003)
原題『De fem benspænd』
シネフィル・イマジカ放映タイトル『ラース・フォン・トリアーの5つの挑戦』

監督/脚本 ヨルゲン・レス&ラース・フォン・トリアー

製作 デンマーク・スイス・ベルギー・フランス
受賞歴 2004年モトヴン国際映画祭 国際批評家連盟賞

◎解説・あらすじ
デンマークの巨匠ヨルゲン・レス監督の短編作品『The Perfect Human』を、ラース・フォン・トリアーのアイディアでレス監督自身が5度に渡ってリメイクする経過を追ったドキュメンタリー。とはいえ単なるリメイクではなく、毎回トリアー監督が設けた「制約」を守ってレス監督はリメイクをしなければならないのだ。

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◎感想
 今回は「ぷらねた」初のドキュメンタリーを紹介。管理人はラース・フォン・トリアーが監督をしているというだけで興味を持ったのですが、これがなかなか興味深い映画でした(・∀・
 内容としてはレス監督が、自ら過去の短編作品『The Perfect Human』を、トリアー監督に依頼されてリメイクするという話なのですが、トリアー監督がレス監督に「制約」を課すことで簡単にことが進まないように調整されています(笑)『The Perfect Human』は、「完璧な人間」の生活を描くという作品。これが、具体的にどのような「制約」のもとリメイクされたかというと……。

一回目…毎秒12フレームで撮影すること(普通の映画は毎秒24フレーム)
二回目…「世界でもっとも悲惨な場所」で撮影すること
三回目…自由に撮影すること
四回目…アニメでリメイクすること

簡単に展開の予想がつくと思いますが、レス監督はこの「制約」に悩まされることになります。

 さて、ラース・フォン・トリアー監督といえば、出演俳優を極限まで追い込むサディスティックなスタイルでも有名ですが、この作品ではリメイクの指示を出すだけだして、できあがったリメイク(とレス監督)に好き勝手なことを言うというまさに彼の本領を発揮してくれています。レス監督の方が年上というか、凄い人物のようなのですが、そういう点での遠慮はまったくありません(笑)。例えば二回目のリメイクでは、レス監督が悲惨だと思う場所ということでボンベイの歓楽街で撮影するのですが、映像の中に現地の人々が映っています。これはあえてレス監督がそうしたのですが、実は制約違反。できあがったリメイクを見たトリアー監督は、すぐさまボンベイに戻って撮り直してこいと命令(・∀・;

 これだけでなく、全体的にレス監督はトリアー監督にいろいろ言われて損な役回りを受けています。カメラに向かってぼそぼそと愚痴をこぼすところは、なんというかとても可愛らしいというか、お疲れ様ですと声をかけたくなります(笑)。

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 海外のサイトでもラース・フォン・トリアーという名前がレス監督よりも先に出てきたり、DVDのジャケットもトリアー監督が使われていますが、全体的に見ればこのドキュメンタリーは、楽ではない状況の中で映画を撮影するレス監督を主人公に据えています。映画を撮るために何カ国も移動し、その過程をカメラは追い、ときにレス監督自身がカメラに自分の思いを語っていきます。そして、映画の紹介のわりに今更という感じもしますが、レス監督がリメイクして出来上がる『The Perfect Human』はどれもかなりの出来だと感じました。

 そもそもリメイクのもとになった『The Perfect Human』という短編映画自体が個人的には見過ごせない作品(※uk版DVDの特典として収録されています)。「完璧な人間」の日常生活とは一体どんなものなのかを、淡々と描いていくだけでストーリーはないようなものですが、映像とBGMの雰囲気がいい。個人的には最近モノクロ映画の美しさにやられているのですが、この作品もそんな映画の一つでしょう。Youtubeにあったので、ちょっと置いておきます。



 この作品をリメイクする訳なのですが、個人的には三つ目の『The Perfect Human』が一番好みですね。なんといっても、渋くてカッコイイ(´∀`* 正直に言えばオリジナル・バージョンからレス監督の意図するところはよく分らないのですが、ここは印象で好き嫌いと言わせてください(汗)

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 それから、作品には完成したリメイクが、全編ちゃんと収録されています(Youtubeにもリメイクしたものだけを抜粋してアップされているようですが……)。最後のリメイクにはどんな「制約」が待ち受けているのか、そんなところにも注目して、トリアー監督のファン、あるいは映画製作に関心のある方は見てみると面白いのではないでしょうか。『マンダレイ』後の作品の監督インタビューでは病気を経験し、トリアー監督もかなり丸くなった印象を受けていたのですが、この頃(『ドッグヴィル』と『マンダレイ』の間)はまだまだ容赦ないのが印象的でした(笑)

 ところでトリアー監督と言えば、『アンチクリスト』は流石に公開されると思っていましたが、一向に公開という情報は聞きませんね。来年には次作『メランコリア』がもう控えているんですが、う〜ん。。
 当ブログで紹介しているトリアー監督作品はこちら。

『The Boss of It All 』 ラース・フォン・トリアー監督 その1 (紹介編)
『The Boss of It All 』 ラース・フォン・トリアー監督 その2 (インタビュー)
『Antichrist』 ラース・フォン・トリアー監督 その1(紹介編)
『Antichrist』 ラース・フォン・トリアー監督 その2(インタビュー)

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本作の監督インタビューを和訳した「その2」はこちら!
http://planeta-cinema.at.webry.info/201008/article_2.html

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